妊娠期
妊娠初期
妊娠中には特に気をつけたい感染症。今回は妊娠時に気をつけたい代表的な感染症をご紹介します。具体的な予防策も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
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妊婦さんが注意すべき感染症(※)表記の感染症は、胎児に影響があるか否かは産後でなければ分からない病気
妊娠20週までに風疹ウイルスに感染すると、胎児に難聴や白内障、心疾患などを引き起こす可能性が。妊娠中は予防接種できないので、妊娠前に風疹の抗体があるか調べるのが理想です。もし妊娠中に「抗体がない(または少ない)」と分かった場合、妊娠20週までは人ごみを避けて。
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妊娠時に気をつけたい感染症「風疹(ふうしん)」感染者との性的接触によって、B型肝炎ウイルス(HBV) に感染すると発症します。妊娠初期の血液検査でママが感染していることが分かった場合、出産してからすぐ赤ちゃんにワクチンを投与して、ママからの感染を防ぎます。
C型肝炎ウイルス(HCV)により発症。主に血液経由で感染し、肝炎から肝硬変、肝がんを引き起こすことも。B型肝炎より感染力は低いですが、産道感染を起こす可能性があるので、帝王切開での分娩になることが多いです。
HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス)により発症する血液のがん。HTLV-1は授乳により赤ちゃんに感染する可能性があるので、抗体検査を行います。
感染者との性的接触によって感染。女性は自覚症状がなく、知らずに感染しているケースが多いので注意が必要です。妊娠初期に感染すると流産につながる危険性も。妊娠中に治療することで、出産時の赤ちゃんへの産道感染を防げます。
感染者との性的接触によって感染。妊娠初期に血液検査で感染しているかどうか調べるので、万が一感染していても早期治療が可能です。
トキソプラズマという原虫が口から感染することによって発症。胎児の先天異常や流産、早産の原因になるので早期治療が必要です。予防策は、猫の大便処理後はよく手を洗う、生肉を食べない、ガーデニングで土を触るときは必ず手袋をする、野菜や果物はよく洗ってから食べる、などです。
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【産科医監修】妊婦さんが気を付けたい感染症「トキソプラズマ症」唾液や尿に多く含まれるウイルス。日常的に存在するウイルスですが、妊娠中に初めて感染すると、生まれた赤ちゃんにさまざまな障害を引き起こすおそれがあります。幼児の唾液や尿から感染することがあり、小さな子のお世話をするときは、手洗いを徹底し、食器の共有を避けてください。
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)により発症。母子感染を防ぐため、妊娠初期に感染の有無を調べる産婦人科がほとんどです。
妊娠中の発症は重症化しやすく、妊娠初期は流産のリスクが高まります。先天異常や奇形の確率は少ないといわれています。
水痘の予防接種は妊娠中に受けられません。ただ、9割以上のママは子ども時代に感染して抗体を持っています。万が一妊娠中に感染すると、重症化しやすく、胎児に先天異常が起こることも。水痘にまだ感染したことがないママは、妊娠期間を通じて人混みを避けるなど、感染経路をできるだけ断つようにしましょう。
水痘と同じウイルスが原因。水痘に一度感染すると、治った後でも免疫力が落ちたときにウイルスが再活性化して、帯状に発疹が出ます。妊娠中は免疫力の低下で発症しやすいので注意して。
妊娠中に感染すると重症化しやすく、流産や早産を引き起こす場合も。周囲に麻疹にかかった人がいたら、絶対に近づかないようにしましょう。胎児への感染の心配はないといわれています。
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妊娠中の麻疹(はしか)感染に注意。予防の知識を身につけよう妊娠20週未満に感染すると、およそ30%の赤ちゃんに影響があり、胎児水腫や子宮内胎児死亡のおそれもあります。ワクチンはないので、マスクや手洗いで予防を。
インフルエンザウイルスは、母子感染しません。しかし妊娠中は免疫力が落ちていて重症化しやすい傾向があります。インフルエンザワクチンは妊娠中も問題ないと考えられているので、予防接種した上で手洗い・うがいで予防しましょう。もし発症しても、タミフルなどの抗インフルエンザ薬を処方してもらえます。
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【産科医監修】妊婦さんが気をつけたい感染症「インフルエンザ」GBS(B群溶血性連鎖球菌)に産道感染すると、GBS感染症という疾患にかかる可能性があるので妊娠後期に検査します。
カンジダというカビの一種が原因で、免疫力が低下します。妊娠中はくり返しかかることも。外陰部のかゆみ、痛みが特徴で、出産時に症状が強いと、赤ちゃんが皮膚炎などを起こすこともあります。
食べ物を通じて感染する食中毒の一種。感染はとてもまれですが、ママから胎児に感染すると流産や死産のおそれも。非加熱のナチュラルチーズ、生ハム、スモークサーモンやパテなどは、食べるのをひかえましょう。
性器に水ぶくれのような潰瘍ができ、産道感染するとヘルペス脳炎や新生児ヘルペスなどの重い感染症を引き起こします。
7割に自覚症状がない感染症ですが、出産時に赤ちゃんに感染すると新生児結膜炎を起こして失明することもあるので注意。
カリフラワーのようなイボが子宮頸部や性器にできる病気。産道感染すると、とてもまれですが、のどにイボができる喉頭乳頭腫を起こします。
妊娠中の免疫力低下によってかかりやすくなる、トリコモナスという原虫が原因となる膣炎。膣や外陰部に強いかゆみを感じます。
竹内 正人(産婦人科医、医学博士)
日本医科大学卒業後、米国ロマリンダ大学(周産期生物学)、日本医科大学大学院(産婦人科学・免疫学)を経て葛飾赤十字産院などに勤務。著書に『マイマタニティダイアリー』など。
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