新生児・乳児期
生後6カ月〜9カ月
赤ちゃんがかかりやすい病気とその症状をまとめた記事第二弾です。赤ちゃんの病気を正しく理解して、予防とケアに努めましょう。
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赤ちゃんがかかりやすい病気とその症状まとめ(1)水痘・帯状疱疹ウイルスが原因の感染症。冬から春にかけて流行し、乳幼児がよくかかります。発熱と同時に赤い発疹が現れ、2〜3日の間に水泡に変化して全身に広がり、強いかゆみが出てきて、その後かさぶたになります。かゆみで不機嫌になったり不眠になることも。ごくまれに水痘脳炎や髄膜炎が起こるので注意。2014年10月から定期接種となり1歳から3歳未満は窓口負担なく、無料で受けられます。
ジフテリア菌が原因の感染症。5歳以下や40歳以上は重症化しやすく、約2割の人が亡くなるといわれる怖い病気です。のどなどに感染して毒素が放出され、心臓や神経の筋肉に障害を起こして横隔膜のまひや心不全につながることも。ワクチン接種の効果もあり、1999年を最後に国内の患者報告はありません。
ポリオウイルスが原因の感染症。口の中から入り腸内で増えることで感染しますが、手足にまひが起こったり、最近は海外でワクチンの影響ではない、野生株のポリオ患者が発生し、問題になっています。日本ではワクチンの効果で、約30年前から野生のウイルスによる患者は出ていませんが、外国からの侵入に備え、ワクチンで免疫をつけておくことが大切です。
感染力の強い百日咳菌が原因です。鼻水や咳などの初期症状を経て、ゴホゴホと咳きこんだ後に「ヒューッ」と笛のような音で息を吸いこむ発作が1日数十回起こります。2歳までの乳幼児に多く、回復するまでに2~3カ月程度を要します。現在、ワクチンの接種回数不足による影響で学童から大人の百日咳が増え、問題になっています(妊婦さんは気をつけて)。
土の中にいる破傷風菌が傷口などから体内に入りこんで発症。まひやけいれんを起こします。最初は口を開けにくくなったり、食べ物を飲みこみにくくなったりし、次第に全身のけいれんが起こり、窒息死することがあります。1年間に数十人の患者が発生しており、致死率が30%以上と高いので、災害(土砂・ケガ)などの時のためにワクチン接種が必須です。
ウイルスに感染した豚の血を吸った蚊に刺されることで感染します。感染しても発症する人は数百人に1人といわれていますが、悪化した場合は重い後遺症を残したり、2~4割が死に至る怖い病気です。ワクチンがあります。
RSウイルスなどが原因で、細気管支(気管支の先端)に炎症が起こる病気。新型コロナウイルスが流行してから、一年中地域ごとに流行しており、2歳未満の乳幼児によく見られます。発熱や鼻水、咳などのカゼ症状が出て、ゼロゼロ、ヒューヒューという呼吸音が特徴です。特に生後6カ月未満の赤ちゃんは呼吸困難などを起こしやすく、重症化しやすいので注意が必要です。
ヒトパルボウイルスB19によって、りんごのように頬が赤くなる病気。両方の頬に赤い発疹が現れて、蝶の形のように広がっていきます。腕や太ももにもレース状の発疹が出ることもあり、数週間、発疹が消えないこともあります。発疹以外の症状はありませんが、妊婦さんに感染しないように注意が必要です。
サルモネラ、カンピロバクター、ブドウ球菌、病原性大腸菌などの細菌感染で起こる胃腸炎。発熱や嘔吐、下痢などを引き起こし、腹痛や高熱が出る場合もあります。ウイルス性胃腸炎よりも重症化することが多く、入院治療を行うことも。整腸剤や吐き気止め、原因となる菌をやっつける抗生物質で治療を行います。
細部 千晴(日本小児科学会小児科専門医)
細部小児科クリニック院長・日本小児科医会子どもの心相談医。著書・監修書に『この1冊であんしんはじめての育児事典』(朝日新聞出版)、『「どうする?」がわかる 赤ちゃんと子どもの病気・ケガ ホームケアBOOK』(ナツメ出版)、『マンガでわかる! 妊娠・出産はじめてBOOK』(KADOKAWA出版)など
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