新生児・乳児期
生後0カ月~2カ月

3歳までに受けたい予防接種

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予防接種のワクチンは生後2カ月から接種ができ、赤ちゃんがかかると厄介な感染症のうちのいくつかはワクチンを接種することで予防ができます。

この記事では、3歳までに受けたい予防接種をまとめました。接種目安の時期も参考に、予防接種のスケジュールを立ててみてください。(※2023年1月時点の情報を掲載しています。)

乳児 予防接種

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※日本国内で接種できるワクチンはすべて同時接種が可能です。生ワクチンから次の生ワクチンの接種を受けるまでは27日以上の間隔をおく必要があります。種類の違う不活化ワクチンは接種間隔に制限はありません。
乳児用・小児用新型コロナワクチンはインフルエンザワクチンのみと同時接種できます。2023年3月現在、前後2週間、他のワクチンとの間隔を空けなくてはなりません。かかりつけ医と相談しておきましょう。

※定期接種は予防接種法で定められており、公費(原則的に無料)で受けられるもの。任意接種はその多くが自己負担ですが、自治体の助成もあるので、接種しておきたいワクチンです。

3歳までに受けたい予防接種リスト

2カ月(接種開始目安)

ヒブ定期
(不活化ワクチン)
接種回数:3回+1回
インフルエンザb型菌による細菌性髄膜炎などのヒブ感染症を予防。接種回数は、生後2カ月に開始し、合計4回です。後遺症が怖い病気なので、接種をおすすめします。
小児用肺炎球菌定期
(不活化ワクチン)
接種回数:3回+1回
ヒブとの同時接種で予防を徹底してください。肺炎球菌による細菌性髄膜炎や中耳炎を予防するワクチンです。生後2カ月に開始し、合計4回接種です。
B型肝炎定期
(不活化ワクチン)
接種回数:2回+1回
肝炎を発症するB型肝炎ウイルスを予防します。平成28年から定期接種となりましたが、1歳までなので注意が必要です。1歳未満は定期接種として窓口負担なく接種できます。1歳過ぎると任意接種となりますが、1歳過ぎても免疫をつけるためには合計3回接種することをお勧めします。3歳までに感染すると、将来的に慢性肝炎を起こして肝硬変や肝がんを発症する危険性が高まるので、早めの接種を。
ロタウイルス定期
(生ワクチン)
接種回数:2〜3回
激しい下痢と嘔吐を起こすウイルス性胃腸炎(ロタウイルス感染症)を予防します。赤ちゃんは重症化しやすいので、2カ月になったらなるべく早めに接種して。ロタリックス(1価・接種回数2回)とロタテック(5価・接種回数3回)の2種類があるので、前もってかかりつけ医または接種医療機関に確認を。
四種混合定期
(不活化ワクチン+トキソイド)
接種回数:3回(2023年3月現在)+1回
2023年4月から生後2カ月から接種開始となる3種混合ワクチンと不活化ポリオワクチンを混合したワクチンです。ジフテリア、百日ぜき、破傷風、ポリオの4つの病気を防ぎます。百日咳が地域単位で流行しています。2カ月になったら早めの接種をお勧めます(2023年3月までは3カ月)。

5カ月(接種開始目安)

BCG定期
(生ワクチン)
接種回数:1回
国内で年間2万人弱の患者が発生している結核を予防するワクチン。9本の細い針を皮膚に押し当てるスタンプ方式。接種後2~4週間で赤くはれたり、うみが出ることもありますが、自然に治ります。接種翌日から赤く腫れたら(コッホ現象)、接種前に結核に感染していた可能性があるので即受診を。

6カ月(接種開始目安)

日本脳炎定期
(不活化ワクチン)
接種回数:2回+1回
日本脳炎ウイルスに感染した豚の血を吸った蚊に刺されることで感染します。40度以上の高熱や頭痛、嘔吐、下痢が起こり、けいれんや意識障害が起こることも。有効な治療法がなく、悪化すると死亡したり、重度の後遺症が残るおそろしい病気です。標準的には3歳からの接種ですが、生後6カ月から接種可能です。
インフルエンザ任意
(不活化ワクチン)
接種回数:毎年2回
毎年冬に流行するインフルエンザを予防するワクチン。生後6カ月以降に、2~4週間あけて2回接種します。その年のウイルス株を予測してワクチンが作られるので、100%予防できるものではありませんが、接種することで重症化を防げるといわれています。2015 / 2016 年からワクチン株は3つから4つに増え世界標準となりました。
乳児用新型コロナワクチン任意
 接種回数:3回(2023年3月現在)
ワクチンは、オミクロン株流行下においても効果が期待でき、安全性についても、臨床試験の結果に基づいて、大きな懸念はないとされています。子どもの新型コロナワクチンの効果と安全性が確認されていることから、日本小児科学会は子ども達へのワクチン接種を推奨しています。

1歳(接種開始目安)

MR定期
(生ワクチン)
接種回数:2回(1歳で1回、5〜6歳(2期)で1回)
麻疹(はしか)と、「三日ばしか」ともいわれた風疹を予防するワクチン。麻疹も風疹も感染力が強く、合併症や後遺症があり、場合によっては死に至るおそろしい病気なので、1歳になったら速やかに接種しましょう。風疹は妊婦が感染すると胎児がCRS(先天性風疹症候群)の危険もあるので大人も予防して。
水ぼうそう定期
(生ワクチン)
接種回数:2回(3歳までに)
水痘を予防します。水ぼうそう(水痘)は感染力が強く、1歳になったら速やかに接種しましょう。2回目は3カ月以上の間隔をあけてください。3歳未満は定期接種として窓口負担なく接種できます。
おたふくかぜ任意
(生ワクチン)
接種回数:2回
ムンプスウイルスが原因であるおたふくかぜを予防。免疫をしっかりつけるために、3歳以降にもう一度接種を受けます。おたふくかぜにかかると1000人に1人の割合で、一生治らない重度の難聴(最近の調査では300人に1人)になることが知られています。 約50人に1人の割合で無菌性髄膜炎が起こります。低年齢でワクチンを接種することで、副反応として知られていた無菌性髄膜炎のリスクを減らせることがわかりました。1歳早期の接種を強くお勧めします。
A型肝炎任意
(不活化ワクチン)
接種回数:3回(別途2期1回)
1歳以上であれば接種できるワクチンです。A型肝炎ウイルスに汚染された食べ物や、ウイルスがついた手で食べ物に触れると、かかる可能性があります。60歳以下の日本人のほとんどがこの免疫をもっていません。特に外国に行く前にぜひ接種しておきましょう。
細部 千晴

細部 千晴(日本小児科学会小児科専門医)

細部小児科クリニック院長・日本小児科医会子どもの心相談医。著書・監修書に『この1冊であんしんはじめての育児事典』(朝日新聞出版)、『「どうする?」がわかる 赤ちゃんと子どもの病気・ケガ ホームケアBOOK』(ナツメ出版)、『マンガでわかる! 妊娠・出産はじめてBOOK』(KADOKAWA出版)など

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