新生児・乳児期
生後3カ月~5カ月
歯が生え始めてくる生後6カ月くらいから、よだれ(唾液)が目立つようになります。唾液の分泌量が増える上に、飲みこむ動作が未発達なので、外に流れ出てしまうためです。ただし、無意識のうちにゴックンと飲みこめている子は、よだれが少ないように見えます。
赤ちゃんの体が成長するにつれて、体内ではさまざまな消化酵素が作られて唾液が増え、いろいろな種類の食べ物を消化・吸収できる機能が整います。「よだれ=ばっちい」と考えがちですが、よだれが多くなるのは離乳の準備が始まった合図でもあるのです。
ただ、よだれで口の周りがかぶれてしまわないように、小まめにやさしく拭き取ることが大切です。毎食後は濡れタオルでおさえるように拭き、ワセリンを塗ってあげましょう。
もしある日突然よだれが増えたら、手足口病やヘルパンギーナで口の中に発疹ができたり、アデノウイルスや溶連菌でのどが痛くて飲みこめない場合があるので注意してあげてください。
よだれは食べ物の消化吸収を助ける大事な存在。
口の周りがかぶれないように、ケアしてあげて。
細部 千晴(日本小児科学会小児科専門医)
細部小児科クリニック院長・日本小児科医会子どもの心相談医。著書・監修書に『この1冊であんしんはじめての育児事典』(朝日新聞出版)、『「どうする?」がわかる 赤ちゃんと子どもの病気・ケガ ホームケアBOOK』(ナツメ出版)、『マンガでわかる! 妊娠・出産はじめてBOOK』(KADOKAWA出版)など
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「よだれがいっぱいでばっちい」なんていわないで!
「おチビちゃん、よだれが増えてきたね」とママ。最近、よだれかけがびしょびしょになって、何回も交換してもらうくらい、よだれが出るんだ。「ばっちいから、あんまり出なくなるといいねえ」とパパ。そしたらママは、わたしの口を拭きながら、こういったの。「あら、よだれは、どんどん出たほうがいいのよ!」って。