乳歯入門
2歳半~6歳頃
食べ物をよくかんで食べて「かむ力」がつくと、むし歯予防にもつながり、脳や言葉の発達、体力の向上などへも良い影響があるといわれます。
子どもの発達に比べて食材が柔らかすぎると、流しこむように食べてしまうので、かむ力が育ちません。発達段階に合わせて、適切なかたさの食材を与えましょう。
かむ力をつけるために、スルメやコンブなど極端にかたいものを食べさせようとする人もいますが、それぞれの時期のかむ力に見合う食材を、よくかんで食べさせることが大事です。
幼児期なら、ごぼうや、れんこんなど食物繊維が豊富で、歯ごたえのある食材をメニューに加えてみましょう。大きめに切ったりんごや、骨つき肉などを与えたりして、"かじり取る"練習もさせてみてください。
かたいものが苦手で食べたがらない子どもには、「りんごがシャリシャリ、すごくいい音がするよ!」「○○ちゃんのかむ音、聞かせて!」などの声かけも効果的です。
食べ物をよくかんで「かむ力」をつけることで、健康な歯になり、食べ物を消化吸収しやすくするだけでなく、さまざまな体への効果が期待できます。
かむ効果の標語
「卑弥呼(ひみこ)の歯がいーぜ!」
ひ | 肥満予防 | よくかんで食べることで、脳の満腹中枢がはたらき、満腹感が得られて食べすぎを防止することができます。 |
み | 味覚の発達 | よくかんで味わうことで、食べ物本来の味がよくわかり、味覚が発達します。 |
こ | 言葉の発音がはっきり | 口の周りの筋肉が鍛えられて、口をはっきり開けてきれいに発音できるようになります。 |
の | 脳の発達 | かむことによる刺激が脳細胞のはたらきを活発化させ、子どもの知育を助けます。 |
は | 歯の病気を防ぐ | かむことで抗菌作用のある唾液がたくさん分泌され、むし歯や歯周病を防いでくれます。 |
が | がんの予防 | 唾液中の酵素には発がん物質の作用を打ち消すはたらきがあるといわれています。 |
い | |
胃腸のはたらきを促進 | かむことで消化酵素の分泌が促進され、胃腸の消化を助けます。 |
ぜ | 全身の体力向上と全力投球 | 健康な歯があってこそ、ここぞというときに歯を食いしばって力を出すことができます。 |
出典 8020推進財団ウェブサイト
ゆっくりとかみしめて、味わいながら食べましょう。食べ物によってかみごたえは違いますが、特にかみごたえのある食べ物は、ひと口30回を目安によくかんで食べましょう。
食べ物が口に入っている間は、ドリンクや汁物などの水分を摂らないようにします。飲み物で流し込むと、食べたものが十分細かくならないうちに胃に送られて消化に悪いためです。
健康な歯は、かむ力を養うことで育まれます。
発達に応じたかたさの食材をよくかんで食べさせて。
上田 玲子(栄養学博士、管理栄養士)
白梅学園大学・短期大学非常勤講師。(株)トランスコウプ総研取締役。日本栄養改善学会評議員、日本小児栄養研究会運営委員。著書に『人生で一番大事な最初の1000日の食事』など。
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ハンバーグやケーキ、アイスクリーム……。柔らかい食べ物が大好き!
わたしがかたい食べ物を嫌がるから、ママは柔らかい食べ物をいろいろテーブルに並べてくれるようになったの。あまりかまなくていいから、食べやすいなあ!かむのって面倒くさい。このまま、柔らかいものだけを食べていたいなあ。