新生児・乳児期
生後6カ月〜9カ月
無菌状態だったお腹の中とは違い、外の世界はウィルスや細菌がいっぱい。赤ちゃんは、ママから数カ月間免疫をもらえるとはいえ、病気には十分気を付けたいですね。
今回は赤ちゃんがかかりやすい病気を特集します。2回にわたって病気の症状や正しいケアなどをご紹介します。
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赤ちゃんがかかりやすい病気とその症状まとめ(2)細菌やウイルスによる、鼻やのど(=上気道)の感染症のこと。咳や鼻水、鼻づまり、発熱、のどの痛み、下痢などの症状が現れ、急性中耳炎や肺炎を併発することも。ゆっくり休養を取り、水分と消化のよいものを与えることで通常は2〜3日で自然とよくなります。改善しない場合や、ほかの症状が出た場合は受診して。
インフルエンザウイルスが原因の感染症。カゼに似ていますが、咳や鼻水などがなく、高熱や関節痛、のどの痛みが現れるのが特徴(年長児は頭痛も)。乳幼児は急性中耳炎や肺炎、熱性けいれんなどの合併症を起こしやすいです。インフルエンザはカゼではありません。受診して注意深く経過を見守ります。ワクチンがあります。
乳幼児がかかりやすい夏カゼの一種。急に高熱が出て、のどの奥にある口蓋垂(のどちんこ)の横に水泡ができます。水泡がつぶれると潰瘍になり、痛くなるので不機嫌になったり、母乳やミルク、食事を嫌がることも。低年齢児は脱水に気をつけて。
5歳までの乳幼児がかかりやすい夏カゼ。口の中や手のひら、足の裏、おしりの割れ目、ひざ(最近は体にも)などに、痛みやかゆみを伴わない水泡ができ、37~38度の軽い熱が出ることも。手足口病に特効薬はありませんが(ワクチン開発中)、およそ1週間で軽快します。ただ、まれに急性脳炎や髄膜炎など合併症を起こすことがあるので、異変があればすぐ受診を。
乳幼児がかかりやすい夏カゼ。発熱がやや長く4〜6日ほど続き、のどが腫れて痛み、結膜炎を起こす病気。プールの水から感染することが多かったのでこの名がつきました。特効薬がないので、安静にするのが第一。感染力が強いので、ほかの家族とタオルを別々にするなど感染予防をしっかりと。
生後4カ月ころから2歳ころの赤ちゃんが突然39度程度の高熱を出し、中には熱性けいれんを起こす子もいます。熱は2~4日ほど続きます。熱のわりにはカゼの症状はなく、元気で、薬がなくても自然に治るのが特徴。熱が下がると顔と体に赤い小さな発疹ができ、下痢を伴います。中には2回かかる子もいます。
ロタウイルスやノロウイルス、アデノウイルスなどのウイルスが引き起こす胃腸炎。嘔吐や下痢、腹痛や発熱が主な症状。ロタウイルスにはワクチンがありますが、整腸剤や吐き気止めなどを使って対処します。脱水症状を起こしやすいので、十分な経口補水液(イオン水)とおなかにやさしい食事で回復を待ちます。
麻疹は、38度前後の発熱と咳、赤い発疹が出る感染症。肺炎や中耳炎、急性脳炎など合併症を起こすことも多く、感染力が強いのが特徴です。風疹は「三日ばしか」ともいわれます。麻疹・風疹とも1歳になったらすぐMRワクチンで予防してください。妊婦が感染すると胎児が先天性風疹症候群の危険もあるので、大人も予防して。
免疫のない赤ちゃん世代の子ども達は親(保護者)からの感染が多く、まずはママやパパなど周りの大人がワクチンを接種して、感染しないように守ってあげることが大切です。インフルエンザと同様にワクチン接種で重症化を防ぐことができる病気です。
細部 千晴(日本小児科学会小児科専門医)
細部小児科クリニック院長・日本小児科医会子どもの心相談医。著書・監修書に『この1冊であんしんはじめての育児事典』(朝日新聞出版)、『「どうする?」がわかる 赤ちゃんと子どもの病気・ケガ ホームケアBOOK』(ナツメ出版)、『マンガでわかる! 妊娠・出産はじめてBOOK』(KADOKAWA出版)など
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