乳歯入門
生後〜2歳半頃
歯が生え始める時期には個人差がありますが、だいたい生後6カ月〜9カ月ころが一般的です。多くの子の場合、まず下の前歯が2本生えてきて、次に上の前歯が2本生えてきます。歯が生えるころには、歯ぐきがむずがゆくなって、よだれが増えたり、機嫌が悪くなったり、赤ちゃんによっては歯が生えるときの刺激で微熱が出たりすることがあります。
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【小児歯科医が解説】乳歯の本数は?永久歯の生え変わりはいつ?乳歯についてよくある質問まとめ歯ぐきのむずがゆさをまぎらわせるために、おもちゃなど歯ごたえのあるものをかみたがるので、赤ちゃん用の「歯がため」などを用意しておくといいでしょう。歯が生えてくる時期は1年程度の幅があるため多少遅くとも、生える順番が多少異なっても、心配することはありません。あまり気にせずしばらくは経過を見守ってください。1歳くらいまでは生えなくても問題ないといわれていますが、1歳を過ぎて1本も生えてこない場合は、念のため小児歯科で診てもらいましょう。
※乳歯の生える時期と順番には個人差があります。気になることがある場合は、小児歯科で相談しましょう。
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【小児歯科医が解説】乳歯の本数は?永久歯の生え変わりはいつ? 乳歯についてよくある質問まとめ「小帯異常(しょうたいいじょう)」とは、上唇の裏側にあるスジ(上唇小帯 じょうしんしょうたい)、または舌の裏側にあるスジ(舌小帯 ぜつしょうたい)の長さになんらかの異常が見られることです。例えば「舌小帯短縮症」は、舌小帯が短すぎて舌の動きが制限される状態のこと。授乳や発音に影響がある場合は手術をすることもあります。また、上唇小帯が通常より長い「上唇小帯異常」は、上の前歯にすき間ができたり、発音や吸いつき運動に影響したり、歯並びに悪影響を及ぼすこともあります。いずれも多くの場合、様子見で大丈夫ですが、子どもの年齢や状態によって対処法が異なりますので、気になる場合は小児歯科医と話し合ってみてください。
子どもの乳歯が生え揃うと20本になりますが、最初から歯が作られなかったり、2本の歯がくっついて生えてきて20本より少なくなることを「先天欠如」などといいます。だいたい50人~100人に1人の割合で起こる現象で、3歳以降になっても20本が生え揃わなければ、先天欠如の可能性があります。ただし先天欠如だからといって、永久歯も足りなくなるわけではありません。永久歯に生え変わる6歳くらいのころに、小児歯科で調べてもらい、永久歯に影響があるかどうか、歯並びやかみ合わせは今後どうなるのかなどについて相談しましょう。場合によっては矯正治療などを検討します。
歯が1本でも生えたら赤ちゃん用歯ブラシで歯みがきして。早めに歯ブラシの感触に慣れさせて、習慣づけましょう。
坂部 潤(小児歯科医、歯学博士)
日本小児歯科学会認定小児歯科専門医。東京・目黒、成城、麻布、代々木上原にある小児歯科専門医院キッズデンタルを開業。継続管理型の小児歯科専門医療を提供している。
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毎年11月8日は「いい歯の日」。赤ちゃんがずっといい歯で過ごせるように、これから3回にわたって乳幼児の歯と口の健康にまつわる連載をスタートします。 第1弾は、赤ちゃんに「はじめて歯みがき」をするときのポイントを紹介。小児歯科医・歯学博士の坂部潤先生が解説します!
ねえ、見て! 歯が生えてきたよ!
ここのところ、歯ぐきがなんだかムズムズするの。ムズムズのせいで機嫌が悪くなっちゃうし、よだれがたくさん出るし、まったく嫌になっちゃう。そしたらママとパパが、わたしの口をのぞきこんで笑ったの。「あれっ、歯が生えてきたよ!」って。