妊娠期
妊娠初期
普段何気なく食べている食事ですが、妊娠中には特に控えた方が良い食べ物があります。おなかの中の赤ちゃんのためにも知っておくと良いでしょう。 今回は、妊娠中、摂り過ぎに注意したい代表的な食べ物を6種類ご紹介しましょう。
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知っておきたい妊婦さんとカフェインのはなしレバーやうなぎに多く含まれている動物性のビタミンAは、妊娠初期(~生後3カ月)までに多量に摂取すると、おなかの赤ちゃんの形態異常が生じる可能性が指摘されています(ニンジンなどの野菜に含まれる植物性のビタミンAはたくさん摂取しても問題ありません)。1日の摂取量の上限の目安は、うなぎは1/2 串、レバーは1かけ程度。ただ、上限を超えて食べても、数日~1週間の中で調整すれば大丈夫です。
ひじきには、人体に有害で発がんリスクのある「無機ヒ素」が多く含まれていることが懸念されています。ただ、「毎日4.7g(乾燥時)以上もの大量のひじきを継続的に摂取しないかぎり問題ない」と厚生労働省は発表しています。むしろひじきは食物繊維や鉄分、各種ミネラルが豊富に含まれる食材なので、1週間に2回程度のペースで、毎回小鉢1杯を食べるくらいならまったく心配ありません。
レアステーキや生ハム、スモークサーモン、パテなどの加熱が不十分なものや、お刺身・寿司などの生ものの中には、寄生虫(トキソプラズマ)がいる可能性があります。胎盤を経由しておなかの赤ちゃんに入り込むと、先天性トキソプラズマ症にかかってしまうことも。妊娠中は赤ちゃんのことを考えて、よく火を通したものを食べるようにして。今は我慢して、産後の楽しみに取っておきましょう。
輸入もので、かつカマンベールやウォッシュチーズ、ブルーチーズなど非加熱のチーズには、ママの体内に入ると赤ちゃんの流産や死産につながる「リステリア菌」が混入している場合があります。妊婦さんは健康な成人の20倍リステリア症になりやすいといわれるので、避けたほうがいいでしょう。加熱してあるプロセスチーズや、クリームチー ズ、カッテージチーズなら、食べても問題ありません。
自然界には、人間に無害な水銀が存在しますが、海の中の微生物や魚の体内に蓄積されることで、有害な「メチル水銀」に変化します。おなかの赤ちゃんはまだメチル水銀を体の外に排出する機能がないため、ママがたくさん水銀含有量の多い魚介類を食べることで、中枢神経の発達に影響を及ぼすといわれています。通常の範囲内であれば食べても大丈夫ですが、下の摂取量を目安にしてください。
1週間に1回までならOK(約80g)
メカジキ、クロマグロ、メバチマグロ、キンメダイ、エッチュウバイガイ、ツチクジラ、マッコウクジラ
2週間に2回までならOK(約160g)
マカジキ、キダイ、ミナミマグロ、ユメカサゴ、ヨシキリザメ、イシイルカ
竹内 正人(産婦人科医、医学博士)
日本医科大学卒業後、米国ロマリンダ大学(周産期生物学)、日本医科大学大学院(産婦人科学・免疫学)を経て葛飾赤十字産院などに勤務。著書に『マイマタニティダイアリー』など。
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