新生児・乳児期
生後3カ月~5カ月
赤ちゃんが母乳やミルクを吐いてしまったり、咳き込んで吐いてしまう「吐き戻し」は、乳幼児期の赤ちゃんにはよく見られることです。まだ赤ちゃんの消化器官が未熟なことから起きる現象ですが、ごく稀にさまざまな病気が原因で嘔吐を伴うこともあります。吐いたときは、しばらく赤ちゃんの状態をよく観察して対処を判断してください。
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赤ちゃんが吐き戻し、嘔吐したときに気をつけること赤ちゃんが吐き戻したときに、まず何をするべきか項目別に整理をしました。様子も観察しながら、吐き戻しの正しい対処法を確認しておきましょう。
吐いた後にすぐ水分を与えると、その直後に嘔吐してしまうこともあります。吐いてから1時間くらいは水分を与えず様子を見た後で、落ち着いてからスプーン1杯程度の赤ちゃん用経口補水液(イオン水)を10分おきくらいに与えます。
授乳は1、2時間ほど様子を見て、大丈夫そうか確認してから与えてください。ミルクならいつもの半分程度の量から再開します。
何かさっぱりしたものを……と柑橘系ジュースや乳酸菌飲料、牛乳を与えるのはNG。これらの飲み物は浸透圧が高いので胃に負担がかかり、さらに吐き気をひどくすることがあります。
吐いた後でまず注意しなければいけないのは、吐いたものがのどに詰まって窒息するのを防ぐことです。
吐き気がおさまったら、口の中に入っているものがあれば指でやさしく取り除き、きれいにします。そして頭と背中が一直線になるように丸めたタオルを置くなどして、横向きに寝かせましょう。再び吐き戻したときにすぐに対処できるように、しばらくはそばにいて見守ります。
脱水が心配だからと水やお茶を、飲みたがる量を与えるのはNG。その刺激でまた嘔吐が誘発されてしまうためです。吐き気がおさまるまで、1時間程度は様子を見て、少しずつ与えましょう。
頻繁に嘔吐する場合、ウイルスや細菌による胃腸炎の可能性が高いので、家族に感染しないようにします。嘔吐物や唾液には直接触れないようにして、使い捨てのマスクやゴム手袋をして処理し、終わった後は袋に密閉して捨てます。
汚れた服やタオルは分けて洗濯を。おむつ交換時は便に触れないように注意して、手洗いやうがいも徹底しましょう。
胃腸炎などの場合、何度も嘔吐するので、吐いてすぐに着替えさせると直後に吐き戻して汚れてしまい、また着替えさせる手間がかかることも。
吐いたときはまず嘔吐物を片づけて口の周りをきれいに拭き、たて抱きの姿勢でしばらくキープして落ち着かせます。その後で、シャワーを浴びさせるか温かいタオルで体を拭き、着替えさせるようにしましょう
嘔吐時は急激に体内から水分が失われます。脱水症状を防ぐためにも、体にスムーズに吸収される経口補水液を飲ませましょう。市販の経口補水液や赤ちゃん用イオン水がよいですが、ないときは家にある下記の材料を混ぜれば簡単に作れます。
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赤ちゃんがかかりやすい病気とその症状まとめ(1) 赤ちゃんがかかりやすい病気とその症状まとめ(2)細部 千晴(日本小児科学会小児科専門医)
細部小児科クリニック院長・日本小児科医会子どもの心相談医。著書・監修書に『この1冊であんしんはじめての育児事典』(朝日新聞出版)、『「どうする?」がわかる 赤ちゃんと子どもの病気・ケガ ホームケアBOOK』(ナツメ出版)、『マンガでわかる! 妊娠・出産はじめてBOOK』(KADOKAWA出版)など
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