第28回ライオン健康セミナーを東京で開催しました
2019年03月01日
2019年1月27日、ライオン歯科衛生研究所主催の第28回ライオン健康セミナーを『「人生100年時代」に向けた歯科医療をめざして』をテーマにイイノホールで開催しました。
基調講演では、大平哲也先生(福島県立医科大学医学部教授)に、「笑いによる口腔と心身の健康づくり」と題し、笑うことで生活習慣病や口腔機能低下症、認知症が予防できる可能性や、ストレスを軽減することなどについて多くの医学的研究データから解説いただきました。将来的には薬物療法の補助的な役割として、“笑い”療法が処方される日が来るかもしれないなどの大平先生のユーモアたっぷりの講演や、笑いと呼吸法を組み合わせた“笑いヨガ”の実践などは、会場一体を巻き込んで参加者の多くが大笑いとなり、まさに“笑いは薬”を実感できる講演となりました。
今井一彰先生(みらいクリニック院長)には、「もう知ってる?まだ知らない?口呼吸のあれこれ」と題し、口呼吸の為害性や疫学、治療法について解説いただきました。「あいうべ体操」で知られる今井先生は、口呼吸患者の特徴である低位舌による顔貌の特徴、プラークの付着部位をわかりやすくお話しくださいました。口呼吸は口腔内環境の悪化を引き起こすだけでなく、心身不調の一因にもなることがありますが、自覚のない患者が多いため専門家が気付くことが必要であると解説され、口呼吸の多くは歯科治療中に見つけることが可能であるので観察眼を養って対応してほしいと強調されました。
南崎伸樹先生(南崎歯科医院院長)は、「歯周病悪化の原因はこれだ!歯肉を診て、歯槽骨を読み、そして患者さんをその気にさせる!」と題し、歯周病のリスクファクターは人であり、歯科医療従事者の患者への対応の仕方が勘所であることを解説いただきました。プラークコントロールの意味を理解し、実践できる歯科衛生士を育成していくことの重要性や、歯科医師が歯科衛生士を信頼することの大切さを強調されました。プラークコントロールができる診療所を目指して同じゴールを共有し、患者をその気にさせる歯周病治療の実践により自院の歯周病患者がどのように変化していったかについて、症例を示しながら講演くださいました。