第27回ライオン健康セミナーを東京で開催しました
2018年03月20日
2018年1月28日、ライオン歯科衛生研究所主催の第27回ライオン健康セミナーを品川グランドセントラルタワーザ・グランドホールにおいて「健康長寿社会の実現に向けた歯科医療をめざして」のテーマで開催しました。
基調講演では、下方浩史先生(名古屋学芸大学 教授)が「健康長寿を目指す生き方」と題し、儒学者の貝原益軒は「養生訓」で、病気になる前の予防の大切さや心の健康の大切さを300年以上前から説いていたことを解説しました。さらに、「きんさん、ぎんさん」のぎんさんの4人の娘さんや80歳でエベレスト登頂に成功した三浦雄一郎さんの調査を例に、夢や生きがい、目的を持つことは心と身体の健康に良い影響を与え、老いても仲間と語ることによって助けてくれる人の輪が広がり、夢をさらに追うことができると強調しました。
松尾浩一郎先生(藤田保健衛生大学 教授)は「食べる機能の維持、回復に向けた多職種連携による取り組み」と題し、オーラルフレイルや口腔機能低下症、嚥下や咀嚼のメカニズムなどについて分かりやすく解説しました。また、栄養指導も含め知識や患者を診る目を養うことはフレイルやサルコペニアの予防につながると歯科の役割を強調しました。さらに要介護高齢者の口腔アセスメント(OHAT:Oral Health Assessment Tool)を活用した多職種連携の重要性を具体的に解説しました。
二階堂雅彦先生(二階堂歯科医院院長)は、「歯周病の9割は歯科衛生士が治す!」と題し、海外の研究や論文を用いて歯周病が急速に進行する人、全く進行しない人、ゆっくり進行するなど個人差があることを解説しました。さらに、BOP(Bleeding on Probing)を指標に歯肉縁下の炎症をコントロールしていくことの重要性と、歯科衛生士による定期的なメンテナンスによって、ほとんどの歯周病は進行を食い止めることがき、歯科衛生士の役割の重要性を強調しました。