「2021 ライオン健康セミナー」を開催しました
2021年07月05日
2021年4月18日(日)ライオン歯科衛生研究所主催の「2021ライオン健康セミナー」をウェブ配信で開催いたしました。
今回の「2021 ライオン健康セミナー」は、「人生100年時代に向けた歯科医療をめざして」をテーマに生涯にわたる口腔の健康を通した全身の健康の保持増進や生活の質(QOL)の向上に関する最新情報を各分野でご活躍の4名の先生からご講演いただきました。
今回は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、初のウェブ配信で開催し、またオンデマンド配信を4月20日から5月16日まで行い、視聴者は当日配信と合わせて、延べ1,422名となり、多くの方々に視聴していただきました。
基調講演は西沢邦浩先生(日経BP総研メディカルヘルスラボ客員研究員)から「『人生100年時代』の健康のカギを握る歯科への期待」と題し、国内外多数の論文や資料から、いま注目されている歯科のトピックを紹介しました。新型コロナウイルス感染症予防における唾液中の免疫グロブリン(IgA)の役割や、それに伴うプロケアとセルフケアの重要性にはじまり、「残存歯数とがん発症リスク、認知症リスクの関係」、「顔貌年齢と口腔の健康状態の関係」などを解説しました。これからの人生100年時代を健康に生きるには、患者さんと接する機会の多い「歯科と歯科衛生士に期待される役割が大きい」と強調しました。
尾崎哲則先生(日大歯学部教授)は「歯科医療の今までと今後」と題し、むし歯の洪水時代だった1960年代からの日本の歯科医療の変遷を紹介し、人生100年時代に向けた歯科医療のあり方を解説。新たなステージで求められている「残った歯で食べられる・話せる」口腔機能への取り組みの重要性を述べ、小児の口腔機能発達不全症や高齢者の口腔機能低下症など口腔機能の維持のための継続的な管理や指導に、オンライン診療やアプリを用いた日常の健康支援も歯科の新たな役割になると強調しました。
石原裕一先生(ライオン歯科衛生研究所・日本歯周病学会専門医・指導医)が「生涯自分の歯で過ごすための歯周病予防・治療」と題し講演しました。歯周病専門医として、歯周病罹患者の現状と、歯周病の全身疾患への影響を解説しました。また、セルフケア習慣化が重要であることから、高齢者の歯周病予防・治療を推進する指導方法として、短期的な改善が見込めるところから指導を始めると変化が確認することができ、患者のモチベーションに繋がりやすいなど、それぞれの患者に合わせた具体的な指導方法を解説しました。
池上由美子先生(歯科衛生士、がん感染症センター都立駒込病院)は「新しい生活様式、with コロナの中での臨床現場における歯科衛生士の役割」と題して、同病院が国内最初の発症である中国・武漢からの来日者およびクルーズ船の感染者から現在に至るまで、多くの新型コロナウイルス感染者を受け入れてきた経験から、「ウイルスを持ち込まない・持ち出さない・広めない」ための人・環境・システムの管理について、映像を交えて具体的に解説しました。また感染管理をスタッフに徹底させるための仕組みづくりについても詳しく解説しました。
講演後には、講師の先生方によるパネルディスカッションを行い、視聴者からは多数の質問が寄せられ、活発な質疑応答が行われました。