「人間工学」誌にオープンデータが掲載されました

2021年07月30日

当財団では、「口腔機能低下症」の診断項目の一つである「口腔乾燥」に関する研究を推進しています。

我々は唾液分泌を促進する簡便で安全な方法として香り刺激に着目し、千葉大学工学部と共同で香り刺激に対する唾液量と唾液中コルチゾール濃度への影響を検討しました。

研究の結果、香り刺激により唾液量は有意に増加しましたが、唾液中コルチゾール濃度への影響は見られませんでした。以上の研究結果を人間工学誌に報告しました。

唾液は、口腔内の健康だけでなく、全身の健康において重要な働きを持ちます。今後、さらに研究を進めて唾液分泌の促進に有効な方法を考案し、人々の生活の質の向上に繋げたいと考えています。

本研究に関するオープンデータが、「人間工学」誌57巻3号に掲載されました。

<オープンデータ>
香り刺激による唾液量と唾液中コルチゾール濃度に関する検討
野原佳織、張琰雯、貨泉朋香、黒川亜紀子、小林利彰、夏亜麗、下村義弘

なお、オープンデータは、日本人間工学会では「実験、試験および調査によって得られた各種データをまとめたもので、研究・設計・開発評価等にとって有用な資料として参考になるものとする。人間工学設計に資する電子データの公開も含む。」と定義されています。