記事

【6~8歳の患者さん向け】指導内容

公開日2024年09月05日

乳歯から永久歯へと、生えかわりが進む時期です。むし歯になりやすい第一大臼歯も萌出します。患者さん・患者さんの保護者に指導したい内容をまとめました。

歯をきれいにみがく歯みがきは?

「歯みがきの基本」を学ぼう

子どもに実際にみがいてもらいながら、歯のみがき方の基本を指導しましょう。

1. 歯ブラシの毛先を歯面にまっすぐ当てる

歯ブラシの毛先を歯面に当てた時に、歯と歯肉の境目に毛先が当たるようにするのがポイントです。

2. 歯ブラシを小さく動かす

1~2本の歯を目安に、1ヶ所につき20回以上、歯ブラシを小刻みに動かします。歯ブラシを大きく動かすと、毛先が歯と歯の間に届かず、プラーク(歯垢)を上手に落とせないので注意しましょう。

3. 軽い力でみがく

歯ブラシの毛先が開かない程度の力加減でみがきます。
みがく力が強すぎると、歯ブラシの毛先が広がって汚れを落としにくいだけでなく、歯肉を傷つけることがあります。

仕上げみがきは必要なの?

継続して仕上げみがきを行いましょう

小学生になると、保護者が仕上げみがきをやめるケースが見受けられます。しかし、この時期の子どもはまだ十分にみがけないことが多いため、仕上げみがきを続けるように指導しましょう。特に、萌出したばかりの永久歯はむし歯になりやすいので、重点的にみがくように伝えます。

仕上げみがきの姿勢については、どれが良いというわけではなく、臼歯(奥歯)まで見える状況下で実施することが大切です。保護者が臼歯までしっかり確認できる姿勢で行うようにアドバイスしましょう。

保護者が子どもの頭を手で支えると、ぐらぐらせず安定してみがきやすくなります。

第一大臼歯はどうやってみがけばいいの?

ななめ横からみがきましょう

第一大臼歯は、隣の歯と高さがそろうまでに1年半~2年ほどかかります。背が低いため、歯ブラシの毛先が届きにくくなり、みがき残しの多い部位です。
きちんとみがくためには、歯ブラシの当て方を工夫することがポイントです。歯ブラシを奥まで入れ、第一大臼歯にななめに当ててみがきましょう。
このみがき方は、患者さんだけでなく、保護者が仕上げみがきをする時にも取り入れるように伝えましょう。

背の低い歯には歯ブラシが当たりにくく、みがき残しが生じやすくなります。
第一大臼歯の側面やかみ合わせに、歯ブラシをななめに当ててしっかりみがきます。

監修:朝田 芳信

内閣府日本学術会議 生活科学委員会 子どもの健康分科会委員
鶴見大学歯学部附属病院 病院長
日本学校歯科医会 口腔機能発達不全に関する調査研究委員会 委員長