本格的に自分でみがく練習を始める時期です。保護者だけではなく、患者である子どもにも正しいケア方法を伝えるために、知っておきたい情報をまとめました。
子どもに伝わりやすい、歯ブラシの持ち方の説明は?
「こんにちは」と「さようなら」で伝えてみよう
プラーク(歯垢)をきちんと落とすためには、歯ブラシの毛先を歯にまっすぐ当ててみがくことが大切です。歯ブラシを正しく持つことによって、毛先を適切に当てることができます。そのため、歯ブラシの持ち方についても指導が必要です。
子どもに説明する時は、歯ブラシの毛の部分を「顔」に見立て、柄の部分を「お腹」「背中」と表現し、「こんにちは」の持ち方、「さようなら」の持ち方と伝えるとわかりやすいでしょう。プラークが残っている歯を確認したら、その部分をみがく時の歯ブラシの持ち方もあわせて指導しましょう。
歯のみがき方はどう指導すればいいの?
3つの基本を教えよう
正しいみがき方のポイントは3つ。歯ブラシを「歯にまっすぐ当てる」「小さく動かす」「軽い力でみがく」、これらのコツを子どもにわかりやすく伝えましょう。
■歯みがきの基本
1. 歯ブラシを歯にまっすぐ当てる
歯の表面はデコボコしているので、歯ブラシの毛先を歯と歯肉の境目や、歯と歯の間にきちんと当ててみがくことが大切です。そのためには、歯ブラシを正しく持つことが基本です。歯ブラシの持ち方の指導については、前述のQ&Aも参考にしてください。
2. 歯ブラシを小さく動かす
歯ブラシの毛先を歯に軽く当て、小刻みに動かしてみがくよう指導しましょう。
その際、大きい動かし方を「ぞうさん」、小さい動かし方を「ありさん」で表現すると、子どもにも伝わりやすいでしょう。子どもの歯ブラシのふり幅が大きい場合は、「ぞうさんとありさんはどっちが小さい?今日はありさんみがきをしてみようか?」と伝えてみましょう。
また、みがき残しを防ぐには、順番を決めてみがくことも有効です。子どもには、順番を決めてみがくよう促しましょう。
歯ブラシを動かす幅を、子どもが想像しやすい「ぞうさん」と「ありさん」に例え、適切な動かし方をわかりやすく伝えましょう。
3. 軽い力でみがく
歯ブラシの毛先が開かない程度の力加減でみがくよう指導します。「ありさんみがきで、やさしくみがこうね」とアドバイスしましょう。
みがき終わったらどうすればいいの?
鏡で口の中を観察する習慣付けを促そう
子どもがみがき残しを見わけるのは難しいですが、いつもと違うところはないか、口の中を観察することは大切な習慣です。歯みがき習慣として、みがき終わったら鏡でみがき残しを確認するまでをセットで行うよう、子どもを指導しましょう。
監修:朝田 芳信
内閣府日本学術会議 生活科学委員会 子どもの健康分科会委員
鶴見大学歯学部附属病院 病院長
日本学校歯科医会 口腔機能発達不全に関する調査研究委員会 委員長