理事長挨拶
私どもの口腔保健普及活動は、大正2年(1913年)に開催した「ライオン講演会」を原点としています。その後、昭和39年(1964年)に財団法人ライオン歯科衛生研究所が設立されました。平成22年(2010年)には公益財団法人へと移行し、現在に至っております。この間、当財団は一貫して口腔保健普及啓発活動を実践してまいりました。
さて、日本においては高齢化が進み、メタボリックシンドロームや認知症など多くの健康課題が山積しています。これらの全身の疾患と口腔との密接な関係が、さまざまなエビデンスを通して明らかになってきました。また、加齢に伴う「口腔機能の低下」がフレイルにつながるとの認識も広まってきています。
口腔の疾病に加えて、口腔機能が全身健康に及ぼす影響に着目して、当財団では口腔の環境を整え、口腔の機能を育み・守るために、今後さらに予防歯科活動に注力してまいります。乳幼児期から高齢期までのすべてのライフステージにおける予防歯科の実践を通して、生活習慣をより良き習慣へとリデザインしていければと考えております。
また、社会とのネットワークをいっそう重視して、学校、地域、職域などさまざまなコミュニティと連携して予防歯科を推進することにより、ソーシャルヘルスケアの実現を目指してまいります。個人の心と身体の健康だけでなく、すべての人々が健康で豊かな暮らしができる社会、ヘルスケア社会を構築していければと考えております。
皆様方から、これまで以上のご支援とご指導を賜りたく、何卒よろしくお願い申し上げます。
公益財団法人ライオン歯科衛生研究所
理事長 濱 逸夫